秋田商工会議所青年部

北緯40°Bライン連携軸推進協議会 平成20年度第3回協議会 講演会レポート 木場勝之

 

「プロダクトアウトのススメ = 楽しんで仕事しよう!」

  別稿で報告した第3回協議会のメインは、何といっても当秋田YEGの菅原亘氏による講演会でした。経営コンサルタントの講師とはまた違い、実際の経営体験に裏打ちされたノウハウや提言・放言にみんな夢中になって聴き入りました。そして時々話されるプレジビジョンⅡのPRには、会場を和ませ、盛り上げる効果も有りました。その一部をレポートとしてご報告いたします。 (株)ソフトアドバンスについて2001年創立、6年間で売上は6倍になっているそうです。当初、映像効果ソフト「風立」を開発し、OEMで国際的に供給し、QRコード用(2次元バーコード?)のソフトは、各ベンダー等に採用され、ミーモ(それが何かは理解できませんでしたが)にも使われているとのことです。そしてプレジビジョンでは・・・・・・YEGのメンバーであれば誰でも知っているように色々な賞を(株)ソフトアドバンスでは獲得されていますが、菅原講師によると、プレゼンの段階で、審査員に向って、「当社は賞を獲りに来ました」と、明言するとのこと。それが審査員の評価を一段高める効果をもたらすと確信しているそうで、その信念は、若い頃、好きな相手に、「オマエが好きだ。Baby!」と幾ら謂おうとも、「付き合ってくれ」のクロージングのひと言が云えなければ何にもならないという、誰しも思い当たるような経験から得たそうです。(いや、Baby!とは、言ってなかったそうです)このことは、我々の日常の場面でも、「契約させていただきに参りました」のひと言が云えず、ずるずる訪問回数を重ねる、駄目な営業パターンからの脱却に活かせるのでは無いでしょうか?私自身も、これからは勇気を持ってクロージングのひと言を大切に使いたいと考えております。 プロダクトアウトとは一般に販売戦略としてセオリーと言えるものが、マーケットインの手法だそうです。市場の指向を素早くキャッチして、商品化し販売する。これに対し、プロダクトアウトの手法は真逆で「作りたいものを作る」そうです。ソフト業界の各賞を総ナメにしたプレジビジョンⅡもそうやって誕生したそうで、中小企業の場合、マーケットインを行なおうとしても資金も足りず、販売チャンネルの整備にも企業が耐えられない。そんな怜悧な判断から、或る面、苦肉の策として行なわれた手法が、世の中に無いモノを作り出したために、話題性を持ち、報道されることで、コストを掛けずに宣伝が出来、世界に向けた販売が可能になったとのこと。一つの製品を創りあげるまでに要する資金が1000万円から3000万円ということで、菅原講師が言われるように、ギャンブルの要素が強い手法にも思えますが、他社が行なって良い結果を生む対象・商品・業態に、多くの業者が群がり共倒れになる可能性もマーケットインは孕んでいるようにも思えます。どちらの道を選択するかは、経営者の性格と信念の違いということでしょうか? 儲かるITとは菅原講師の会社では、ソフト製作だけでは無く、「儲かるIT」の提案というコンサルタント業務も行なっていて、利益の柱としては、こちらの方が主ともいいます。また、新製品のアイディアも企業を指導している最中に、または触発されて湧き上がるようです。実例を挙げて説明してくださいました内容は、2年間で2倍の売上を達成したり、販路の拡充のためのブランド化に成功したり、クレーム管理の目的からはじめたことが企業全体を変革したりと、素晴らしいノウハウばかりでした。これを拝聴して未だに自分の仕事に活かせないのが歯痒いところですが、講師も話された通り、どの企業も変革を実現するためには経営者の覚悟が出来ていることが必要なのでしょう。次の言葉をしっかり書き留めて来ました。 

経営者の意志

・3年後、どうしたいのか?

・あなたの野望でOK!

・出来るとか出来ないとか考えない

  ほんの少しの差が、数年で決定的な差になるそうです。  秋田で仕事をすることメリットもないが、デメリットと思えることは、視点を変えればデメリットでないとのこと。秋田に住んでいることで、駄目な言い訳にしているようじゃ、ダメってことですね・・・自分の住みやすいところでビジネスがしたいと言う言葉が、菅原講師の秋田への思い入れの深さを伝えてきて、次の放言(本人談)を一層、重みのあるものに感じさせました。 

秋田をよくしたい-心からの「放言」         菅原亘氏レジュメより転記

 

・資本を蓄積する。

・経済の仕組みを学ぶ。

・お金を使う。

・子供たちを住まわせる。

・楽しく生きて豊かに暮らす。

・自分の周りと地域と日本と世界を同じスケールで見る。

  実に肯綮にあたった凱切なご講演を聴かせていただきました。きっとBライン協議会の皆さんも同じ思いでしたでしょう。懇親会も菅原講師を中心として盛り上がったことを記して、筆を擱きます。菅原亘さん、ありがとうございました。